6代目マセラティ・クワトロポルテ 「若返りなのか、大衆化なのか?」
赤坂・六本木界隈で大人気のマセラティ・クワトロポルテがFMCを迎えた。このクルマは日本では完全にメルセデスSクラスやレクサスLSの上に位置する「最上級の中の最上級」のセダンと言っても過言ではない。ポルシェ・パナメーラやアストンマーティン・ラピードといったアクの強いデザイン(簡単に言うとダサい)のライバルと比べるまでもなく、圧倒的な存在感と妖艶な雰囲気で日本人の感性を直撃する「究極デザイン」で絶対的な優位性を持っている。そんな5代目(先代)の好調を引き継いで、間隔を開けずに今年始めのデトロイトショウで公開された。
新型クワトロポルテはヘッドライトの形状が先代から大きく変更されていて表情が一新している。この変更はあからさまに現在の「スポーツセダン」の流行を掬い上げていて少々興ざめな感がある・・・、ハッキリ言ってしまうと「致命傷」というほどの大失敗だ。5代目(先代)のヘッドライトの形状はクワトロポルテのキャラクターの確立にとても貢献した良いデザインであった。クルマ自体はスポーティでありながら、ベントレーなどに肩を並べる優雅さも兼ね備えていた。それが6代目では大衆モデルで流行している「吊り目(細目)」に変更になってしまった。
「スポーツセダン」における「吊り目」ヘッドライトの流行は、日本車にルーツがあると言われている。オリジナルを確実に特定することは難しいが、アウディの水平ヘッドライトが一世を風靡し、メルセデスやレクサスが「デカライト」を標準化するなかで、2006年に日産スカイライン(現行)に採用されて以降、マツダアテンザ(先代)、オペルインシグニア、ヒュンダイソナタとミドルサイズセダンにヒット車が続いた(いずれもブランド興隆の名デザイン)。2012年になってから、デザインの立ち後れが深刻になっていたBMW3シリーズがF30で追従した。ミドルサイズスポーツセダンの「雄」が採用するに至り、今では堂々の主流デザインへと登り詰めた感がある。現在にいたって「デカライト」は完全に衰退し、メルセデスとレクサスの旧モデルのデザインの劣化がばかりが目につく状況だ。
マセラティはスポーツモデルの「グランツーリズモ」ですでに「吊り目」を導入していて、今回のFMCでクワトロポルテも同じような方向に移行したようだ。マセラティとしては、「格調」を重んじる正統セダンのイメージを脱ぎ捨てて、4枚ドアのスポーツモデル「4ドアクーペ」として新しいイメージを作りたいという意向なのだと感じる。この背景にはやはり「ラグジュアリーセダン」の流行の変化があると思う。現在では「組織の大ボス」を気取るような大型高級セダンは世代を問わず、人気が縮小しているようで、メルセデスも「マイバッハ」ブランドを終結させている。
しかしこのマセラティの決断には、やや疑問を感じる。5代目(先代)クワトロポルテの大成功の裏には、このクルマしか持ち得ない「特別なステータス」の存在があったと思う。ベントレーのような格調のあるフロントとリアのヘッドライトを配していながらも、隠しきれないほどの「スポーティさ」や「セクシーさ」が滲み出てくるところがこのクルマの最大の「魅力」だった。そんな「世紀の傑作車」が、あっさりとコンセプトを変えてしまい、新型ではグランツーリズモを4ドアにしてユーティリティを良くしただけ、つまり「スパルタンさ」を減らしただけのクルマに収まってしまったことはとても残念に思う(それくらいの切り替えがブランドビジネスの肝なのかもしれないが・・・)。
グランツーリズモは全長5m近いフルサイズボディを2ドアながら決して間延びさせずに、側面およびリアデザインを造形しきった「快作」だ。その芸術的といえる側面をわざわざ4枚ドアにしてしまうのはもったいない限りだ(同じことがBMW6にも言えるが・・・)。側面のデザインが全くもって下手くそなメルセデスが、その解決策としてCLSを導入したことは、確かに「画期的」だったのかもしれないが、いくらそのCLSがヒットしたからといっても、マセラティが安易に追従するのは「愚か」に思えてしまう。メルセデスCLSにしても、登場からはや6年が経ち、今となっては下品なまでに「斜度」を組み込んだサイドデザインが「うっとおしい」以外の何者でもない(私に見る目が無いのか?)。CLSを得意げに乗り回している人を見かけるが、ハッキリ言って「私はセンスないです」と自ら申告しているようなものだと思う。6代目クワトロポルテもまったくもってこの路線を踏襲しているように感じるのだが・・・。(もちろん買う人の自由だ)
新型クワトロポルテはヘッドライトの形状が先代から大きく変更されていて表情が一新している。この変更はあからさまに現在の「スポーツセダン」の流行を掬い上げていて少々興ざめな感がある・・・、ハッキリ言ってしまうと「致命傷」というほどの大失敗だ。5代目(先代)のヘッドライトの形状はクワトロポルテのキャラクターの確立にとても貢献した良いデザインであった。クルマ自体はスポーティでありながら、ベントレーなどに肩を並べる優雅さも兼ね備えていた。それが6代目では大衆モデルで流行している「吊り目(細目)」に変更になってしまった。
「スポーツセダン」における「吊り目」ヘッドライトの流行は、日本車にルーツがあると言われている。オリジナルを確実に特定することは難しいが、アウディの水平ヘッドライトが一世を風靡し、メルセデスやレクサスが「デカライト」を標準化するなかで、2006年に日産スカイライン(現行)に採用されて以降、マツダアテンザ(先代)、オペルインシグニア、ヒュンダイソナタとミドルサイズセダンにヒット車が続いた(いずれもブランド興隆の名デザイン)。2012年になってから、デザインの立ち後れが深刻になっていたBMW3シリーズがF30で追従した。ミドルサイズスポーツセダンの「雄」が採用するに至り、今では堂々の主流デザインへと登り詰めた感がある。現在にいたって「デカライト」は完全に衰退し、メルセデスとレクサスの旧モデルのデザインの劣化がばかりが目につく状況だ。
マセラティはスポーツモデルの「グランツーリズモ」ですでに「吊り目」を導入していて、今回のFMCでクワトロポルテも同じような方向に移行したようだ。マセラティとしては、「格調」を重んじる正統セダンのイメージを脱ぎ捨てて、4枚ドアのスポーツモデル「4ドアクーペ」として新しいイメージを作りたいという意向なのだと感じる。この背景にはやはり「ラグジュアリーセダン」の流行の変化があると思う。現在では「組織の大ボス」を気取るような大型高級セダンは世代を問わず、人気が縮小しているようで、メルセデスも「マイバッハ」ブランドを終結させている。
しかしこのマセラティの決断には、やや疑問を感じる。5代目(先代)クワトロポルテの大成功の裏には、このクルマしか持ち得ない「特別なステータス」の存在があったと思う。ベントレーのような格調のあるフロントとリアのヘッドライトを配していながらも、隠しきれないほどの「スポーティさ」や「セクシーさ」が滲み出てくるところがこのクルマの最大の「魅力」だった。そんな「世紀の傑作車」が、あっさりとコンセプトを変えてしまい、新型ではグランツーリズモを4ドアにしてユーティリティを良くしただけ、つまり「スパルタンさ」を減らしただけのクルマに収まってしまったことはとても残念に思う(それくらいの切り替えがブランドビジネスの肝なのかもしれないが・・・)。
グランツーリズモは全長5m近いフルサイズボディを2ドアながら決して間延びさせずに、側面およびリアデザインを造形しきった「快作」だ。その芸術的といえる側面をわざわざ4枚ドアにしてしまうのはもったいない限りだ(同じことがBMW6にも言えるが・・・)。側面のデザインが全くもって下手くそなメルセデスが、その解決策としてCLSを導入したことは、確かに「画期的」だったのかもしれないが、いくらそのCLSがヒットしたからといっても、マセラティが安易に追従するのは「愚か」に思えてしまう。メルセデスCLSにしても、登場からはや6年が経ち、今となっては下品なまでに「斜度」を組み込んだサイドデザインが「うっとおしい」以外の何者でもない(私に見る目が無いのか?)。CLSを得意げに乗り回している人を見かけるが、ハッキリ言って「私はセンスないです」と自ら申告しているようなものだと思う。6代目クワトロポルテもまったくもってこの路線を踏襲しているように感じるのだが・・・。(もちろん買う人の自由だ)
まったくもっておっしゃる通り!
返信削除五代目のデザインがエレガントだったのに、わざわざ大衆車化してしまった。。。。
五代目の条件がいい中古を買って何十年も乗ろうかな。
コメントありがとうございます
返信削除5代目は赤坂ミッドタウンの駐車場で「セダンヒエラルキー」の頂点で、6代目はパナメーラ級のブサイク・・・。5年落ちで600万円ならコスパは最高ですね。